現代経営学科

会計学

「食べ放題」「デパコス/プチプラ」のからくりは?

企業の利益計画を会計学で読み解く

「焼肉食べ放題」ビジネスの場合(例)

1人あたり3000円の場合

費用を変動費と固定費に分け、「損益分岐点」を分析することで、どのくらい売上高をあげないともうけが出ないのか、どれだけ売り上げるともうけが得られるのかを見極めることができます。

利益をあげるためには?

販売単価を上げて
売上高がUP!

1人あたり4000円に値上げすると損益分岐点が下がり、少ない販売数でもうけが発生!

一方で価格が上がると来店者数が減るリスクも…。

食材の見直しで
変動費を下げる!

食材の価格を抑えて変動費を下げれば損益分岐点が下がり、もうけが発生!

一方で味の評判が落ちる可能性も…。

固定費を下げて
コストカット!

設備や店舗の賃借料、広告費を抑えることで損益分岐点が下がり、もうけが発生!

一方でサービスの質や認知度が下がるかも…。

化粧品ビジネスの場合(例)

デパートなどで売っているハイブランドコスメとドラッグストアでよく見るプチプラコスメ、あなたはどっち派ですか?「固定費」に注目することで、各ブランドの戦略が見えてきます。

製品価格内の割合(イメージ)

ハイブランド

¥10,000

→単価を上げて短期間・限定発売

化粧品のブームはとても短い!
流行に合わせて新商品を作る研究開発費やブランド価値を上げるパッケージ・宣伝といった固定費をかける分、販売する際の単価も上げて、ブームが過ぎるまでの短期間で利益を回収する。

プチプラ

¥1,000

→単価を下げて長期間・大量販売

化粧品の原材料費はとても安い!新規参入がしやすいため、100円コスメなども登場している。パッケージを簡易的にし、機能面だけを重視した化粧品は固定費を下げるのが簡単なため、低価格でもしっかりと利益を回収することができる。

商品の価格が高いハイブランドコスメよりも、ドラッグストアやコンビニで安く販売されているプチプラコスメのほうが利益率が高い可能性が。
同じメーカーがハイブランド~プチプラまで複数のラインを展開することで、ハイブランドの価値を高め、プチプラを利益源としていることもあります。

会計学

小川 華代 専任講師

小川 華代 専任講師

麗澤大学大学院経済研究科修士課程修了。日本大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。秀明大学非常勤講師、東京経営短期大学専任講師を経て現職。専門分野は会計史、管理会計。

数学が苦手でも会計学は楽しめる

企業を数字で表すことが会計の役割の1つです。そのため、多くの方は「会計=数学」というイメージを持っているのではないでしょうか。企業は簿記という記録手法を用いて企業の状態を伝えます。そのため、会計学には簿記が必須で、簿記の知識がないと会計学は学べないと考えている人が大半です。しかし、実は会計学のハードルはもっと低いのです。
皆さんは、外国語を習得できていないと外国の文化を学ぶことはできないでしょうか?そんなことはありませんよね。現代では、日本語で書かれた書籍やガイドブックを読み、外国の文化や観光地の情報を得ることができ、旅行に行くこともできるはずです。もちろん、その国の言葉をマスターしていると、より深くその国について知ることができ、もしかすると書籍やガイドブックに掲載されていない内容を自分の感覚で知ることもできるかもしれません。
会計学と簿記の関係も同じようなものです。簿記の知識がなくても会計学という学問を学ぶことはできます。会計学は計算技法だけを学ぶわけではありません。会計用語がどのような意味で使用されているのか、会計情報をどのように読み解くのか、またそもそも企業にとってなぜ会計が必要なのかなど、計算そのものができなくても会計学を習得することはできます。そして会計学を通じて企業を見ることも出来ます。もちろん、英会話で語彙力があった方が良いように、簿記の知識があれば、より深く会計学を理解し、企業の状態を詳細に把握することはできます。
会計は法律で定められていない分、様々な選択肢が存在し、企業の特徴によって使い分けがされています。なぜ法律ではないのか、企業ごとの違いはどのように出るのかなど、計算技法だけではない魅力が会計学には詰まっています。

学びの例を見てみよう!

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